神サマの息吹
2013年 12月 07日
久高島。
沖縄本島の東、フェリーで20分の沖合に位置する"神の島"
なんとも背筋がシャンとするようなこの島に、お邪魔させていただくことにしました。
船に乗ると、その背筋の緊張感がほどけるほど、ピンク色の帽子をかぶった島のかわいい幼稚園児たちがいっぱい。
濃ゆい目鼻だちとはうらはらに、あどけないまん丸のほっぺた。
船が動き出すと、おおはしゃぎ。
子供たちとは、真っ白な状態でいつでも、どこでも変わらない今を生きてるのだね。
きっと私だって、久高島が神の島と知らずに船に乗ったなら、
「わーい離島だ、離島。ビーチでうらうら~」
などと、心はしゃいでいたのかも。
ところで。
何が"神の島"と呼ばれているのかというと、「アマミキヨ」という琉球王国を創ったとされる神様が、海の彼方からやってきて辿り着いたとされるから。
そして久高島は島の北側は「神」の領域。
東側は太陽が昇る「生」の領域。
西側は太陽が沈む「死」の領域。
南側は人々が「暮らす」領域。
とされているそうです。
特に北側は神事のときは男子禁制になる事もあるという。
久高島の祭祀は女性だけで行っていることから、「女性の島」ともいわれています。
観光で来られる男性の方は現地のガイドさんと一緒がいいかもしれません。
小さなピンク帽にまぎれながら、船から降り、島に入る時にまず一礼してご挨拶。
そして、一番最初に目指すはアマミキヨが降り立った島の最北端、カベール岬へ。
さとうきびや、熱帯の植物に覆われた道を自転車こいでひたすら北へ北へと直進します。
とにかくひっそりと、静まりかえっている島全体。
神聖な空気感というより、沖縄の蒼い空や海がそうさせているのか、すこーんとぬけた感のある感じ。
きっと島の生活も便利で余計なものもない、シンプルで簡素だからそう感じるのでしょうか。
カベール岬へ続く道。
そして
辿り着く。
はっ と言葉をのみました。
神様が降り立った場所だからといって、何か祭られていたりするわけではなく、何もない。
何もない。
でも何もないからこそ、リアルがあります。
ぱーっと黒い雲が覆って、その雲の切れ間から光の階段からアマミキヨが降り立つ。
勝手にそんな妄想を抱きながら、しばらくその周辺を歩いていたら、一匹の蝶々がひらひらやってきました。
橙色と青と黒の、南国らしい色合いのその蝶々は、海の沖合いの方へと飛んでいきました。
蝶々なのに、海の上を飛ぶ?
と不思議に思っていたけれど、ここは神の島。
島にあるものすべてに神サマの息吹が吹き込まれているような気がしました。
by miyuki_om
| 2013-12-07 17:29
| 【2013 Okinawa】
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